電通における労災認定で、改めてブラック企業の恐ろしさが世に知れ渡ったのですが、まぁ、そんな会社だって普通にあるだろ?というのが正直な感想です。
だからといって、そういうブラック企業を正当化するわけではなく、問題は解決しなければならないと思いますが、単純に長時間労働やパワハラといった面にだけ焦点をあてても、なんの解決にもならないと思うわけです。
ただ議論が進んでいく中で、法整備も含めた改善が行われるでしょうし、今後、二度とこのような事が起きないで欲しいと思います。
さて、わたしの過去の職場におけるブラック度を紹介しつつ、わたしなりの考えを「ゆる~く」まとめておきます。
- パチンコ店勤務アルバイト時代
- パチンコ店勤務正社員時代
- パチンコ店勤務係長時代
- 極悪シフトを1年勤務してみて
- 長時間労働が悪いわけではない?
- 追いつめられる前に逃げ出す教育を
- もうあくせく働くのはやめようよ
パチンコ店勤務アルバイト時代
20代半ばから30代半ばまで働いていたパチンコ店。
いわゆる昔ながらのパチンコ店で、脛に傷持つ従業員も多数在籍していました。
上司にも、昔ヤンチャしたことを自慢するようなヤツもいて、お世辞にも良い職場ではありません。
ですから最初はアルバイトで働きはじめました。
このとき、すでにブラックの片りんは感じており、パチンコ店のピークでもある7時過ぎの忙しいとき、社員は事務所で休んでいて、アルバイトのわたし一人にホールを任せっきり。
この時代のパチンコ店では、玉貸し機も現金だし、出玉は玉箱でタワー作るし、その玉をカウンターで流す作業まで、すべて人力。
閉店後の清掃だって、ほとんど一人で行うブラックぶり。
すぐに辞めようと思いましたよ、ホント。
パチンコ店勤務正社員時代
しかし、当時のわたしは宿無し・金無し・借金あり。
いつまでも友人宅に居候しているわけにもいかず、社員になれば寮に入れるという誘いを断れず、勧められるままに正社員になってしまいました。
もちろん、正社員になるにあたって社会保険も厚生年金もありません。
第一、職務規定や契約書なども何もなし。
ただ正社員という名のもとに、さらなる激務を任されることになったのです。
正社員がホールにいる、ということで役職者はどこかで遊んでいる状況。
まだまだ携帯電話など無い時代ですから、トラブルでお客からクレームがあっても対応するのは新米社員。
「何事も勉強だよ!」
その一言で終わりです。
いつか辞めてやろう、そう思っていた矢先、係長と社員が辞めてしまったために、辞めるに辞められない状況となりました。
挙句の果てに店長代理も異動となったため、新米社員のわたしが係長へ昇進。
社員になって半年後のことです。
パチンコ店勤務係長時代
係長になって店長から言われたことが「勤務時間は9時から0時だから。」
ん?
いわゆる「通し勤務」です。
パチンコ店は二交代制で、早番・遅番に分かれていますが、1日を通して働くことを「通し」と呼んでいました。
係長は通し勤務だと?
1時間の休憩はもらえたので、残業は6時間。
最悪の宣告です。
しかし、これで終わりではありませんでした。
「昇進したわけだし、勉強のため1年間、休みは無しね。」
へ?
意味わからん。
こうして月間180時間残業×12か月という悪夢のシフトが始まりました。
極悪シフトを1年勤務してみて
今、振り返ってみて思うことは、決して辛かったわけではないということです。
職場と寮が同じ建物だったこともあり、仕事=私生活という環境でしたので、長時間勤務も生活の一部でした。
さらに、時代が時代だったので、いくらでもサボることも出来たし、店長ではないので売上ノルマだってありません。
365日15時間拘束という、時間を犠牲にするだけで仕事自体は意外と楽でしたし、もともとパチンコが好きだったので苦になりませんでした。
奥さんと付き合い始めたころでもあったので、休みが無いのは困りましたが、会社に内緒で同棲してたので、それなりに楽しく過ごせたと思います。
長時間労働が悪いわけではない?
長時間労働が悪いという議論もありますが、わたしのようなクズにとっては長時間労働なんて大した問題ではありません。
適当にサボって、ただ長時間拘束されるだけで給料がもらえるのです。
ただ給料を使う機会がないので、夜中の非合法ポーカーゲーム屋にすべて巻き上げれましたが。
こういう場合はどう考えたらいいのでしょうね。
結局のところ、ブラック企業による過労死や自死といった問題を考えるとき、個別の事案によって答えは異なるわけです。
単純に長時間労働を禁止し、すべての企業が残業を無くしたら、過労死はなくなるのか?
給料が減り、家族を養うことが出来ずバイトに精を出す。
それも50歳を越えたオジサンが。
バイト先では二十歳そこそこの先輩にいびられストレスがたまる。
家に帰れば家族から冷たい目で見られ、居場所もない。
もしかしたら、長時間勤務で会社にいることが救いになっている人だっているのでは?
こんなオジサンが自死したら、本人の問題でしょ?で片付けられるような気がするなぁ。
今回のケースでは、ブラック企業が電通であったこと、亡くなったのが将来のある若者だったこと。
それが議論が大きくなっている理由だろうね。
町工場の零細企業の社長が追い詰められ自死しても、ここまで話は大きくならないかもしれません。
追いつめられる前に逃げ出す教育を
追い詰められないために、一番重要なのは教育なのではないでしょうか。
いざという時、逃げることを恥ずかしいと思わないような教育が必要な気がします。
もしくは逃げ出すことをサポートする仕組みを作ることでしょうか。
わたしの場合は、性格的に逃げることを恥ずかしいと思わないので、基本的に追い詰められることがありません。
どんな時でも、チャラチャラとプレッシャーを躱し、そそくさと尻尾を巻いて逃げ出します。
そんな生き方で、何とか50年近く生きてくることが出来ました。
そりゃあ、贅沢できるお金があるわけではないですし、一流企業に勤めるといったステイタスもありません。
中小企業、それも小の方で働き、将来の蓄えだってありません。
それなのに家まで購入し、住宅ローンまで抱えてます。
でも、いいのです。
もうあくせく働くのはやめようよ
どうも社会全体として、かつての高度経済成長期を夢見て追いかけている気がします。
決してそれが悪いという意味ではなく、別の方向性を考える余裕がないというか。
イケダハヤト氏に代表される、地方への移住だったり、仕事に対する考え方だったり、最近はそういった動きも加速されていますよね。
様々な方向性・価値観を自由に選択し、自分の人生をプロデュースする生き方。
田舎で自給自足をして生活するという価値観だって、もっと共有されるべきだし、それをサポートする国・社会であって欲しいと思います。
だって栄えたものは必ず衰退するわけで、それは自然の摂理なので抗うことはできません。
それを受け入れて、いかに楽しく生きる道を考えるか。
それが大切なのではないでしょうか。
以上、「電通がブラックな件と長時間労働の問題は別問題じゃない?」でした。