「この物件にしよう!」
そう決まったら実際に家を買う手続きをしなければいけません。
順番としては
①物件の申込
②住宅ローンの仮審査
③売買契約
④住宅ローンの本審査
⑤住宅ローン申し込み
⑥住宅ローン決済
です。
①物件の申込
気に入った物件が見つかったら、とりあえず購入意思をハッキリするために申込をします。
これは売り主側に「買う意思がある」ということを伝え、物件購入の交渉順を先にするためです。
どういうことかというと、販売価格が2000万円の場合、そのまま2000万円で購入することはありません。
5%から10%は値引き交渉ができるんです。
さらに内覧でチェックしておいた気になるポイントなどをリフォームしてもらたり、購入条件を買い主側から交渉することができるんですね。
そのために事前に申込をして、その内容を売り主側へ伝える必要があります。
もうひとつ理由があります。
何度も言いますが、気に入った物件は他の不動産店も案内していますので、同じ物件を気に入る人が同時期に現れることもよくあります。
その場合、売り主側は一度に何人もの人と同時に交渉し、自分たちに有利な人を選べてしまいます。
そのため、買い主側が不利益を被らないように、申込順にて優先順位がつけられます。
例えば2000万円の物件に対し、二人の方が申込をします。
その時、希望購入金額が同じなら先に申し込んだ人が、優先的にその物件を購入する事ができます。
しかし、先に申し込んだ人が10%引きの1800万円で交渉に臨んだとして、次に申込をした人が1900万円を提示するとどうなるか。
二番目の人が購入する事ができます。
ただし、先に1800万円を提示した人が改めて同額の1900万円を提示すれば、先に申込んだ人が購入する事ができます。
オークションのように価格の交渉により金額が変動しますが、売り主側が提示した販売価格を超えての価格交渉はできないため、どちらも譲らずに交渉した場合には販売価格の2000万円で決着します。
そうなった時、先に申込をしていた人が優先されるのです。
ですから最終的な価格がどうなるかは別にして、「この家が欲しい!」と思ったら、申込をすることで確実に買えるチャンスをゲットしておきましょう。
ただし、すでに申込が入っている物件なら期待薄かもしれません。
わたしの場合、しばらく売れなかったらしく値下げをしたばかりの物件だったので大きな価格交渉は難しく、端数の50万円を値引いてもらい、多少の追加リフォームで購入しました。
②住宅ローンの仮審査
物件を申し込んだら住宅ローンの仮審査を行います。
担当者もプロですから、購入者の年齢・年収などからローンが組める金額はおおよそ分かります。
ですから金額がどうこうという審査ではありません。
実はローンの審査でチェックするのは購入者の信用実績、それと物件内容を審査します。
購入者の信用問題については、過去によっぽど酷い延滞をしたり、自己破産してたりがなければ問題ありません。
もちろん現在の延滞はダメですよ。
それよりも物件内容の方が問題でしょうね。
家を建てる場合、その土地においてどれくらいの大きさの家を建てていいか、決まりがあります。
建ぺい率・容積率とかいうやつです。
この基準をオーバーして建物を建築すると、違法建築物になります。
そのような物件はローン審査に通りません。(あたりまえか)
もうひとつ、違反建築というものがあります。
これは昔は問題なかったけれども、建築基準が変わって現在は違反になっている物件です。
違反建築だからといって、購入後に取り壊されるようなことはなく、普通に流通しているので安心してください。
注意する点としては
・建て直す場合は現在の建築基準に従う必要があり、今より狭くなる。
・審査が厳しい銀行の場合、審査に通らない。
わたしの場合も基準オーバーなので、仮審査で同時に4銀行に出しましたが1行しか通りませんでした。
建ぺい率オーバー・容積率オーバーの割合にも注意が必要です。
銀行によって、どの程度までのオーバーならOKという基準が違うからです。
ですから、一度の審査で落ちても大丈夫。
何行でも審査に出して、審査が通った銀行にすれば問題ありません。
ただ20%以上オーバーしている場合には、ほぼ審査に通らないでしょう。
そのような物件は現金で購入するしかありません。
以上のように、自分の信用実績や物件内容を確認する意味で、そして銀行の基準を知る上で、事前の仮審査が必要なんです。
*ここでポイント
テーマが「自己資金0円で家を買う!」ということなので、住宅ローンでどこまで借りることが出来るかも気になるところですね。
実際は手付金が事前に必要になるため完全に自己資金0円ではないのですが、最終的にはほぼ自己資金0円で家を買うことは可能です。
住宅ローンを組む場合、「住宅売買価格」と「諸経費」の2つのローンを組むことで、購入費用の全額をローンにすることが出来るんです。
売買価格は手付金も含めた金額でローンを組む事ができますから、売り主側に支払いをした後で手付金が口座に残ります。
また、諸経費ローンでは仲介手数料や登記費用、固定資産税、住宅火災保険、さらに引越し費用までをローンに組み込めます。
ですから結果として「自己資金0円で家を買う!」ことができる、ということですね。
ちなみにローンが2つになりますが、それぞれに返済方法なども選択できるので安心してください。
③売買契約
住宅ローンの仮審査に通り売買交渉がまとまれば、後は物件の売買契約です。
売り主側と買い主側が集まって契約を交わします。
売り主側と会うのはここが初めてになります。
この時、先に出た手付金が必要となります。
ついでに領収書に貼る印紙代10000円(わたしの場合)も必要です。
わたしの場合は手付金50万円と印紙代1万円、合計51万円が掛かりました。
契約自体は事前の交渉で内容が決まってますので、ほとんど流れ作業です。
ただ、署名・押印する書類がたくさんありますので、少し大変ですね。
20枚くらいの書類にサインしたような記憶があります。
ちなみに、この時から押印する印鑑は実印が必要になってきます。
もし印鑑登録をしていない場合には、役所にて印鑑登録をしておきましょう。
もちろん実印として使う、ちょっと立派な印鑑も用意しましょうね。
*ここでポイント
重要な契約をするわけですが、書類等は何が必要なんだろう?と思われるかもしれません。
ですが、それを事前に知っておいても仕方がないので、「担当者に言われたものを用意する」という姿勢で十分です。
無理に予備知識を持つより、説明に従って用意する方が安心ですし、間違いがありませんから。
④住宅ローンの本審査
いよいよ物件購入の本丸、住宅ローンの本審査です。
といっても、仮審査でOKが出ていればほとんど問題はありません。
ここでは仮審査に通った銀行が複数あれば、どの銀行にするかを決めます。
わたしの場合は三井住友銀行しか審査が通らなかったので選択の余地はありませんでした。
銀行が決まれば、申込用紙に必要事項を記入します。
ローンの種類によっては「団体信用生命保険」の加入が義務付けられていますので、そちらの告知書も記入します。
この、いわゆる団信に加入出来ないと一般的な住宅ローンが組めません。
フラット35とかは団信が無いのかな?
ですので、本審査とは最終チェックみたいなもので、特に問題が無ければ大丈夫でしょう。
わたしの場合、過去に大腸ポリープの切除を行っていたので、告知書に正直に書きました。
ポリープくらいなら平気なんですが、病気によって団信に加入出来ない場合があるかもしれません。
ここまでは全て不動産店で行うので、不動産店を選ぶなら近場のお店にしておいた方が楽ですね。
⑤住宅ローン申し込み
本審査の結果、OKがもらえたら正式な住宅ローンの申し込みです。
すでにローン金額も決定しているので、やることといえば契約書に署名・押印するだけです。
もちろん、これは不動産店ではなく銀行で行います。
ついでに言っておくと、ここには不動産店の担当者は来ません。
自分だけで契約をしますので、ちょっと不安になりますが心配はいりません。
もうね、ここまで来るとあとは専門家にお任せして、流れに身を任せていれば問題ないのです。
ただ、ここで一番重要なことはローン金利の問題です。
変動金利・定期固定金利・超長期固定金利など、どのような形でローンを組むかを決めないといけません。
平成28年現在は金利がかなり低いので、変動金利を選択する人も多いようですね。
変動金利と定期固定金利は途中で切り替えることも出来るようなので、とりあえず変動金利にしておいて、金利が上昇しそうなら固定に切り替えるものいいかもしれません。
ただ、変動金利のリスクについてこの時初めて知ったので、少し驚きました。
固定金利もそうなんですが月々の返済金額を固定していると、金利上昇により支払い額に占める金利割合が増え、元本が減らないという状況が生まれます。
そうなると30年でローンを組んだのはいいものの、30年後にローンの残高が残ってしまうということもあるそうです。
今の状況から考えて、今後もどんどん金利が下がることはないでしょう。
だって、すでに1%を切っている(変動金利)ような状況ですからね。
このままの水準で推移していくか、上昇するかのどちらかでしょう。
わたしの場合、難しく考えるのが苦手なので超長期固定金利を選択。
金利変動に関係なく、常に同じ金額を決まった期間払い続ければローンが終わる方がストレスがありません。
超長期固定金利でも1.8%くらいの金利なので、昔に比べれば非常に低いパーセンテージです。
まぁ、繰り上げ返済で月々の返済額を下げる方向でやれば大丈夫かな?と。
団信保険に加入しているので、途中で死んでしまえばローンも無くなりますから、ローン期間を短くするよりは金額を下げる方がいいのではないでしょうか。
ただし、諸経費分については変動金利です。
金額的にはそれほど大きくないので、この分は先に繰り上げ返済をしてしまおうという狙いです。
短い期間で返済するのであれば、金利リスクも小さくてすみますから。
*ここでポイント
変動金利とか固定金利とか難しい言葉が出てきました。
初めて住宅ローンを組む人のほとんどが、詳しい事なんて分かりませんよね?
不安でたまらなく、ネットで下調べしたり、人から話を聞いたり。
ハッキリ言って時間の無駄です。
プロである銀行のローン担当者が親切丁寧に説明してくれますから、ネットで勉強しなくても大丈夫です。
第一、専門用語ばかりのホームページを読んでも、よく分からず逆に不安の方が大きくなるだけです。
⑥住宅ローン決済
遂にこの日がやってまいりました。
住宅ローンの決済が終わると、晴れて物件が自分の物になるんです。
おめでとうございます!
この時に家の鍵も引き渡されるので、家を購入したと実感するのもこの時が一番でしょう。
ローンを組む銀行へ行き、お金に関する一切の処理を行います。
といっても、やることといえば物件の登記関係を行政書士に委任する委任状に署名したり、銀行の振込み用紙や出金伝票に記入したりする程度。
ほとんど座っているだけで終わります。
不動産店の人が2名、行政書士が1名、売り主が1名、銀行関係者数名が、個室の中でバタバタと出たり入ったり。
最後に、ローン用の預金通帳が目の前に置かれて終了です。
あっというまに口座に大金が入金され、あっというまに口座からお金がなくなっていきます。
そして住宅ローンだけが我が身の両肩にのしかかるんです。
何だか、あっけない幕切れでしたね。
物件の登記簿については引越し後、10日前後で自宅の方へ届けられます。
ちなみに、帰りには荷物が多くなるので注意しましょう。
家の設計図や建築中の写真など、物件に関する資料の全てを渡されます。
ですから決済後に予定を入れていると面倒ですよ。
また決済において重要なポイントがひとつ。
諸経費分についてはローン金額すべてを使い切る必要があります。
例えば諸経費200万円でローンを組んだとすると、最終的な諸経費が200万円以上でなければならず、それが195万という状況は許されません。
わたしも火災保険を決める際に金額を調整し、最終的に諸経費+1万円となるようにしました。
あっ、自己資金0円じゃなく、自己資金1万円になりますね、これじゃ。
まぁ、それくらいは目をつむって頂くとして、決済日前までには諸経費の正確な金額を確定しておきましょう。
以上、「売買契約から住宅ローンの申込・決済までに必要なこと」でした。
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