もうパチンコ業界から10年以上も離れているので、現在の状況は分からないんだけど、それほど昔と変わってないでしょうね。
いつの時代でも、そのギャンブル性から攻略法・裏操作・ゴト師などの話が良く出てくる。
今でも「ホルコンで管理されている!」とか「顔認証で管理されている!」という人もいるし。
実際はどうなの?
そう思うよね、普通。
そんな疑問をわたしなりに解説してみようと思います。
パチンコ店は不正ばかり?
まず一般的な店舗では、言われているような「不正行為」は無いでしょう。
もちろん摘発される店舗がある以上、全く無いとは言いません。
ただ、パチンコ店のその多くは普通に営業してますね。
ネットなどで「不正行為」について語られているのは、芸能界みたいなもん。
誰か薬物で逮捕されると、芸能界の多くの人が薬物汚染されているような書き込みが増えます。
政治家の汚職事件が発覚すると、まるで全ての政治家があたりまえのように汚職をしているような書き込みが増えたり。
それと一緒ですよ。
さらに自分の金が失われるんですから被害者意識は高くなり、まるで業界が自分を騙していると思うんでしょうね。
もっと冷静に考えて欲しいものです。
不正がないという根拠は?
では、何故そのような不正行為が行われていないかを解説します。
1.経費が掛かり過ぎる
正直、1台1台に遠隔操作が出来るような設備投資をするとなると、かなりな金額が掛かります。
10年以上も前の話なので今は分かりませんが、当時で1台当たり10万以上かかるよな話を聞いた記憶があります。
1000台規模の店舗なら、軽く1億円もの費用が掛かる訳です。
「それくらい儲かっているだろ?」
と考える人も多いでしょう。
でもね、よく新台入替で行ってみても、1機種5台くらいしか無かったりしません?
パチンコ・パチスロ機の価格が非常に高い今、その費用を回収するだけで精一杯なんですわ。
第一、パチンコ人口も減りつつあるし、遊戯台の規制が強すぎて面白くないし。
昔のようにお客がたくさんお金を使ってくれる時代は終わってるからね。
それに出玉も箱に入れないでしょ?
自動で台が計数してくれてカードで精算。
これって要するに人件費削減ですよ。
出来るだけ機械化することで人件費を抑える。
そうしないと利益がでないくらい、パチンコ業界も厳しいってこと。
「○○兆円産業」とか言われてるけどそれは売上額なんで、実際に○○兆円も儲けている訳じゃない。
どこも大変ですよ、この業界。
2.リスクが高すぎる
不正行為を行っている店舗も一部にはありますが、不正行為におけるメリットとリスクを比べたら、リスクの方が大きすぎますよ。
だって摘発される可能性は非常に高いんですから。
人の口は止められませんからね。
必ずどこからか漏れます。
さらに法律が改正されてなければ、チェーン店で不正が摘発された場合、全ての店舗で営業許可が取り消されるケースもあります。
大手のチェーン店でそんな事するわけないですよね?
ささいなことで、全てを失ってしまう可能性がある。
普通の経営者なら、そんな判断はしませんね。
そういう意味で、まぁほとんどの店舗では不正行為は無いと言えるわけです。
第一、そんなことしなくてもギャンブル依存症の方々が、せっせとお金を持ってきてくれるんですから、無理なリスクなんて背負いません。
当たりまえの話。
実際にある不正行為とは?
不正行為と呼ばれているものにもいくつかあります。
1.ホルコン(ホールコンピュータ)
2.遠隔操作
3.裏基盤(裏ROM)
4.打ち子
などでしょうかね。
それぞれ解説します。
1.ホルコン
いわゆるホールコンピュータというやつですね。
これはどんなパチンコ店にもあります。
役割としては出玉の管理。
こういう言い方をすると「やっぱり出玉をコンピュータで調整しているんだ!」と早とちりす人も多いのでしょうね。
パチンコ台というのは何円使って、何円交換したかという考えではありまえん。
そりゃ売上金額が分からないようじゃ問題ですから、そういったデータもわかりますけどね。
実際に管理している内容は
・使用した玉数
・パチンコ台に入った玉数
を管理して、その差玉を計算します。
また遊戯台からの信号を受けて遊戯台の裏にある裏玉皿に玉を補給したり、大当たり信号を受けて台上のランプを光らせたり、大当たり回数などを表示したり。
このように、実際の玉の出入りを台毎・島毎・階毎で計算して割数を出すのがホルコンの役割。
その割数を見て全体の釘調整を行います。
まぁ、釘調整といっても1台あたり叩くのは数本です。
基本的な釘が出来れいれば、微調整だけで割数の調整は出来るからです。
だから1000台規模の店舗でも、それほど大変な作業ではありませんよ。
ましてや大型店舗なら釘を叩くマネージャーも一人ではないし、皆さんが思っているほど凄いわけではありません。
思いの外、アナログです。
2.遠隔操作
これは先にも述べましたが、台あたり10万位の経費を掛ければ出来ない事はありません。
しかし、メリットが全く無いのでやってるお店があったとしても、極わずかでしょうね。
よって無視できるレベルの話。
3.裏基盤(裏ROM)
これは昔だったら普通にある話です。
昔のパチンコ店の防犯レベルってずさんで、全く出来てなかったのが実情でした。
わたしが勤めていた時代、遊戯台を開けても今のように「ドアが開いてます」とか言わないし。
こっそり遊戯台を開けても気が付かないんです。
お店側で裏基盤を入れるケースもありますが、ゴト師によるものも多かったですね。
従業員を募集するとゴト師の仲間が来て面接するんです。
で、鍵を受け取りホールを回り、仲間と裏基盤をセット。
偽装従業員はそのままトンズラして、出玉を盗むというやり方です。
大勢でゴト行為に及んでいるので、危険なためにお店側としては手出しできず。
そんな事もありました。
お店側で仕掛ける場合は次の打ち子との関連があるので、そちらで解説します。
4.打ち子
これは打ち子がいわゆる「サクラ」としてお店側と一緒に不正を行うことです。
始めの頃は3の裏基盤を店側が仕込んで、それを打ち子に教えて玉を不正に出します。
ノーマル台の釘を閉めていても、確実に出る台を作れるのでサクラとしての効果はバッチリ。
そうやってお客の少なかったお店が、繁盛店になったケースもありました。
ただ裏基盤とかだと不正の証拠が残るので、その後はスロットでの高設定台の仕込に変わりましたね。
でも知っているゴト師とかの話を聞いても、都内ではほとんどそのような事はなく、だいたい地方のパチンコ店を廻っていたようです。
この打ち子の場合、オーナーと打ち子だけの話ですむのでバレることもなく、出た玉はオーナーと折半。
オーナーもお小遣いが得られるので、田舎の小さめの店舗では良くあったようです。
もともとパチンコ店は不正の必要がない
結局、パチンコ店からすると皆さんが考えているようなホルコンとか遠隔操作なんて使わなくても、十分に商売になるんです。
だって、1日を通して客数が20人(時間当たり)しかいないようなお店でも、潰れずに営業できてたりしますからね。
先にも書きましたが、お店は全体を通して儲かればいいので、割数だけを見ていれば問題ないんです。
等価交換なら単純に割数100%でチャラ。(電気代・人件費などは除いて)
1日の平均売上が分かっていれば、割数をどう調整すればいくらの利益が出るのか一発で分かります。
いちいち、入店者の顔認証なんて面倒くさくてやってられないですよ。
まぁ、わたしの知ってる業界は10年以上も昔の業界なので、今は違うのかもしれないけど、根本的なところでは間違ってないと思うよ。
それでも「ホルコンだ!」「遠隔だ!」という人は居るんでしょうね。
そして、そのほとんどがギャンブル依存症でパチンコを止められない人々。
そろそろ、気付いた方がいいよ?
コチラもあわせてお読みください。